Kihira's テックカメラ

カメラ関係の知識・ノウハウなどの公開や、自分の作例や撮影に関する雑談など

星の軌跡の写真の撮り方: 撮影編

さて、前回の準備編でしっかり準備が完了したので、いよいよ現場まで行って撮影を開始しましょう!前回の準備編はこちらです。

www.tech-camera.com

撮影前のセットアップ

撮影地まで移動しよう

撮影のため、豊洲駅からはシェアサイクルサービスを利用して現地のそばまで移動することにしました。

f:id:tkihira:20220221230922p:plain:w200
豊洲駅そばのスポット
シェアサイクルは予約も出来るのですが、予約した自転車のバッテリー残量がゼロに近いこともあるので注意しましょう。
f:id:tkihira:20220221231315j:plain:w200
豊洲駅そばの乗り場の様子
f:id:tkihira:20220221231344j:plain:w200
撮影地そばのスポットの様子

カメラを設置しよう

現地についたら三脚を立てます。周りの人の邪魔にならないところで、かつ地面のしっかりしたところに立てましょう。上からぐっと押さえて、脚がしっかりと固定されていることを確認すると良いでしょう。

f:id:tkihira:20220221231916j:plain:w300
三脚をしっかりと立てる

三脚が設置出来たら雲台もセットします。

f:id:tkihira:20220221232103j:plain:w400
雲台をセットする

そして最後にカメラをしっかりと雲台に固定します。

f:id:tkihira:20220221232317j:plain:w400
カメラを雲台に固定する

カメラの設定と撮影

カメラの設定をしよう

カメラが設置出来たら、まずざっくりと構図を確認します。良い構図が得られたら、マニュアルモードにしてF値・シャッタースピード・ISOの設定をします。まずはカメラのモードをマニュアルモードにしましょう。大抵はカメラのダイヤルを「M」にすると良いはずです。

f:id:tkihira:20220221232901j:plain:w200
マニュアルモードにした

マニュアルモードにしたら、F値・シャッタースピード・ISOを設定します。とりあえず F4.0、シャッタースピード 4 秒、ISO 200 にしてみましょう。都会ではこの設定でうまく撮れることが多いです。

f:id:tkihira:20220221233137j:plain:w200
F4.0、SS 4 秒、ISO 200 に設定する

設定が終わったら、試し撮りをしましょう。今回は橋脚あたりが少し白飛びしていますが、空の色が気に入ったのでこのまま撮影しました。試し撮りで星が写っていなくても心配しなくて良いです。もし明るすぎると思ったらシャッタースピードを短くしましょう。逆にもし暗すぎると思ったらシャッタースピードを長くしましょう。そして試し撮りを繰り返して良いと思う設定を探し出します。

f:id:tkihira:20220221233727j:plain:w300
試し撮りをした結果

最後にピント合わせをします。ピント合わせは拡大して、ある程度遠くの人工物を対象にやりましょう。ミラーレス一眼の場合は、背面ディスプレイよりファインダー越しに確認すると画素数が多くて識別しやすいです。ピント合わせを失敗すると後で気づいた時に心底ガッカリするので、気合いをいれてしっかりピントを合わせます。

f:id:tkihira:20220221234337j:plain:w200
拡大してピントを合わせる

これで撮影の設定は完了です。

実際の撮影を連写でしよう

では、いざ撮影開始です。レリーズをカメラにつなげます。今回は風で揺れないように三脚に巻きつけましたが、外の手すりに巻いたほうがより揺れなかったかもしれません。

f:id:tkihira:20220221234938j:plain:w300
レリーズを三脚に巻きつけた

そして、レリーズを押した状態で固定して連写を開始します。手元の時計で何分経過したかを測り、適当なところで連写を終了させましょう。今回は 15 分くらいで良いかな、と適当に決めていたので、15 分ちょいくらいで連写を終了しました。

f:id:tkihira:20220221235229j:plain:w300
レリーズを押した状態で固定して連写を開始した

連写中の背景ディスプレイはこんな感じでした。機種によっては連写中は真っ暗で見えないこともあります。この画面で星が見えていれば最高ですが、見えていなくてもキチンと撮れていることがほとんどです。撮影中は決して三脚に触れないように気をつけましょう。

f:id:tkihira:20220221235459j:plain:w200
連写中の背景ディスプレイの画面

比較明合成

撮影が終わったら家に帰って、撮った写真を比較明合成して完成です。

今まで比較明合成をするためには、専用のアプリをダウンロード・インストールする必要があったのですが、今回紹介する「スターペンギン」を利用するとブラウザの上で比較明合成が出来ます。ブラウザとはいえ、サーバとの画像ファイルの通信は一切発生せず、自分のコンピュータの中で合成が完了する画期的なツールです。

まずは「スターペンギン」のサイトに行ってみましょう。次のような画面が見えるでしょう。

f:id:tkihira:20220222005151p:plain:w300
スターペンギンのサイト

黄色いところに、先程撮った写真を全部ドラッグ&ドロップします。今回は 225 枚の画像がありました。

f:id:tkihira:20220222005301p:plain:w300
画像をドラッグ&ドロップした

下の「合成開始」を押すと、比較明合成が始まります。あとは終わるまで待つだけです。

f:id:tkihira:20220222010013p:plain:w300
比較明合成中

合成が終わったら、ダウンロードボタンを押して画像を保存します。

f:id:tkihira:20220222010516p:plain:w300
比較明合成が終了した

そしてそれをレタッチして終了です。

出来上がり

f:id:tkihira:20220222010613j:plain
有明で撮った星の軌跡

いかがでしょうか。撮影の流れをさらっと解説してみましたが、星の軌跡の撮影は思ったより簡単に出来ると思いませんか?

書籍紹介

なお、本記事で紹介している撮影の詳細な方法や、具体的な空の良い色・悪い色などの見分け方、スターペンギンの使い方、レタッチのやり方などの話は、こちらの書籍で詳しく紹介しています。もし興味を惹かれましたら、是非お手にとって頂ければ幸いです。

都会で撮る 星の軌跡の撮影術 〜はじめて撮る人から上級者まで比較明合成による撮影の完全ガイド